ひとりひとりの花粉症症状の改善のヒントになることを、問診でもお聞きしています。
その一つが、これまでに試みた治療がどんな結果だったかという、その患者の「反応性」です。私のところに来られる人は、必ず別のところで治療を受けています。それはどういう治療で、どういう結果だったのか。
もう一つが、これまでの経緯です。くしゃみや鼻づまりという症状がいつ頃から始まって、その後どうなったのか、その症状は一年中あるのか、くしゃみのほうがひどいのか、素が詰まるのか、そんな症状はクーラーが効いた部屋に入ると悪化するのか……などなど。
かなりしつこく、かつ細かく話をお聞きします。
なぜなら、花粉症と言われた中に、かなりの割合でほかの鼻の病気や、アレルギーではないけれど、鼻粘膜の過敏性を強めて、鼻水、くしゃみ、鼻づまりという花粉症の三大症状を起こす、いわゆる泉過敏症(過敏性非感染性の鼻炎)が混じり込んでいるからです。症状は花粉症と同じでも、血液検査をしてもアレルギー検査をしても、アレルギーと考えられるものは何も出てきません。
その一つが、日本で「血管運動性泉発」と呼ばれている※
鼻炎です。血管運動とは血管の拡張と収縮のことで、それを支配している自律神経の異常が原因と思われたことから、この名がつきました。字面から見るとなんともすごい病気のようですが、けっこうよくある病気で、欧米では「本態性鼻炎」と呼ばれています。(本態性とは、高血圧などでもよく使われる原因がわからないことを取り.う医学用語です)
くしゃみ、鼻汁、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎と同じような症状があるものの、鼻汁には好酸球がなく、いろいろな抗原検査をしても抗原がわからない鼻炎で、目の症状のないのが、花粉症などの鼻炎とは決定的に違うところです。
この血管運動性鼻炎は周囲の環境の変化、主として冷暖の変化が引き金となって症状が出ることが多いことが知られています。
例えば、朝、布団から出るとすぐ、くしゃみや鼻水などの症状がしばらく続き、食事を終え、出勤や登校の頃になると、つまり周囲の温度に慣れてくると症状が治まってくるとか、夜、布団の中に入って温まってくると県がつまって、それがしばらく続いたり、暖かい居間からひんやりした台所に入ったとたん、くしゃみが出たり、暑い戸外から冷房が効いた室内に入ると、鼻がズルズルと不快になったりと…・。
過度差が原因と思われ、「寒暖アレルギー」と呼ばれたり
りしますが、アレルギー性ではないので、調解を解きやすい製と言えます。さらに海外の報告では、血管運動性外炎とアレルギー住民の合解例が多いという見解も多いので、前例も考慮した治療を考えなくてはなりません。とはいえ、血管運動性鼻炎に特化した治療はなく(というより、ほとんど研究されていません)、抗ヒスタミン薬やステロイドなど
アレルギー性鼻炎治療薬を使って治療をしているのが現状です。
血管運動性鼻炎と似ているのが「好酸球増多性鼻炎」で、その名の通り、鼻汁の中に、花粉症のように好酸球が増えているところが血管運動性鼻炎との違いです。アスピリン職などへ移行する例が多いと言われ、注意が必要な鼻炎です。
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